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指定区分していくぶん

国指定等/有形文化財/美術工芸品(彫刻)

時代じだい

大治5年(1130)・平安時代

エリア

豊後高田市

国指定 重要文化財

もくぞうたろうてんにどうじりゅうぞう

木造太郎天二童子立像

豊後高田市加礼川621-2 長安寺

国指定 重要文化財

もくぞうたろうてんにどうじりゅうぞう

木造太郎天二童子立像

豊後高田市加礼川621-2 長安寺

 不思議な姿の像です。子どものような姿をしていますが、像の内側にある銘文【めいぶん】から、不動明王【ふどうみょうおう】の化身であること、宇佐八幡宮の神職【しんしょく】が制作に関わったことなどがわかります。この像は、まさに神仏習合【しんぶつしゅうごう】が生み出した独特の像です。

銘文(めいぶん)

石塔や仏像の内部、工芸品などに記された、年号や制作者の名前、その文化財をつくる理由や願いを記した文章(願文【がんもん】)などをいいます。

神仏習合(しんぶつしゅうごう)

仏は日本の神が姿を変えた存在とする考え。「習」という漢字には、「かさなる・かさねる」の意味があります。

用語解説

  • 銘文【めいぶん】

    銘文(めいぶん)

    石塔や仏像の内部、工芸品などに記された、年号や制作者の名前、その文化財をつくる理由や願いを記した文章(願文【がんもん】)などをいいます。

  • 神仏習合【しんぶつしゅうごう】

    神仏習合(しんぶつしゅうごう)

    仏は日本の神が姿を変えた存在とする考え。「習」という漢字には、「かさなる・かさねる」の意味があります。

  • 内刳り【うちぐり】

    内刳り(うちぐり)

    仏像を制作する時、乾燥によるヒビ割れ防止や軽量化等のため、像の内側にあたる部分を削り出すこと。

  • 一木造【いちぼくづくり】

    一木造(いちぼくづくり)

    仏像を木でつくる時の制作技法で、頭と体が一本の木から刻まれたものです。

もっとくわしく

 この3体の像は、いずれもカヤを用いた一木造【いちぼくづくり】で、真ん中の太郎天像には、内刳り【うちぐり】があります。
 この像は、髪の毛を両耳のところでお団子のようにまとめる美豆良【みずら】という子どもの髪型で、太郎という名も子どもをイメージさせます。ただし、像の内側に墨書【ぼくしょ】があり、大治5年(1130)に製作されたこと、不動明王の化身であること、宇佐八幡宮の神職が制作に関わったことなどがわかります。また、明治時代以前は長安寺の鎮守【ちんじゅ】にまつられ、国東半島における神仏習合を示す像です。両脇の童子は、不動明王にしたがう衿羯羅【こんがら】・制多迦【せいたか】二童子をもとに制作されたとみられます。

内刳り(うちぐり)

仏像を制作する時、乾燥によるヒビ割れ防止や軽量化等のため、像の内側にあたる部分を削り出すこと。

一木造(いちぼくづくり)

仏像を木でつくる時の制作技法で、頭と体が一本の木から刻まれたものです。

  • 指定年月日していねんがっぴ
    1970/5/25
  • 記号番号きごうばんごう
    彫第3256号
  • 種別しゅべつ
    彫刻
  • 所有者しょゆうしゃ
    長安寺